ano 学ぶログ

触れて学んで発信・共有する...ゲームや音楽、ブログや書籍の内容・情報を記事に

気になって 歩み寄って 貴方を好きになる【クプルムの花嫁 1巻 感想】

 

【クプルムの花嫁 1巻 感想】

 

f:id:anogra:20240331100926j:image

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【1巻 収録内容】

f:id:anogra:20240331104525j:imagef:id:anogra:20240331104545j:image

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【第一話 ギャル、求婚される】

 

 

物語の主人公は...

 

金髪ギャルの大学生

「犬町 しいな」


f:id:anogra:20240331104811j:image

 

主要な登場人物は

続々と登場するけれど

 

その中でも

しいなと同じ位重要な存在が

「富川 修」

 

 

 

修はしいなが小さい頃からの

知り合いであり...


f:id:anogra:20240331105013j:image

 

しいなが思いを寄せる相手でもある。


f:id:anogra:20240331105041j:imagef:id:anogra:20240331105120j:image

 

また修も同じく...

 

 

 

 

ある日、本当に唐突に

しいなは修にプロポーズされる


f:id:anogra:20240331105136j:image

 

しいなの返事は...


f:id:anogra:20240331105155j:image

 

 

 

 

 

修にプロポーズされた事は嬉しいし

修と家族になりたい気持ちはある


f:id:anogra:20240331105224j:image

 

けれど


f:id:anogra:20240331105242j:image

 

いざ、いきなり結婚しようと言われても

気持ちの整理というか準備ができていない、と。

 

 

 

 

そしてもう一つ不安なのは...


f:id:anogra:20240331105258j:image

 

修は、修の家族は

鎚起銅器職人だという事。

 

結婚すれば

職人の奥さんになるという訳で。

 

 

 

 

 

因みに舞台は

新潟県燕市三条市周辺。

 

実際に燕三条に行ったことがなくても

銅器の製造業が盛んなのは知られている位

全国的にも有名ですね。

 

 

某漫画のコミックスの特典の銅器に

燕三条で製造されたものが使用された事も。

 

 

 

 

 

修は小さい頃から親の姿を見て

同じ様に槌を振るってきた。


f:id:anogra:20240331105357j:image

 

口数が少ない、

 

時間がある限り...いや

時間なんて気にせずいつでも

いつまでも銅を叩き続ける


f:id:anogra:20240331105416j:image

 

そういう所が

「The・職人」って感じ。


f:id:anogra:20240331105435j:image

 

そんな修にしいなが付けた名前は

「妖怪銅叩き」w


f:id:anogra:20240331105503j:image

 

...そんな妖怪だって

落ち込む時もある。

 

好きな人にプロポーズして

良い返事が聞けなければね...。

 

 

 

 

 

しいなは結婚する事、した後への不安を

修に話す事に。


f:id:anogra:20240331105523j:image

 

一般の(?)家庭の人が

職人の奥さんになるのって

勇気がいるだろうね...。


f:id:anogra:20240331105558j:image

 

修はそれでも

 

しいなとならきっと

上手くやっていけるだろうと思って


f:id:anogra:20240331105633j:image

 

...そうありたいと思って

 

 

その思いを込めたタンブラーを

引き出物として作ったらしい。

 

 

 

 

しかし修は

祖父の総一郎からの指摘を受け

作り直したいと

 

結婚の話は待ってほしいと伝える。


f:id:anogra:20240331105647j:image

 

職人として中途半端なものは

作りたくないという考えと

 

大好きなしいなへの気持ちを表すものに

妥協したくないという気持ち

 

 

 

その気持ちや考えは素晴らしいし

しいなも嬉しいだろう...けど

 

 

 

こだわろうとしたら

いつまでも、どこまでも

時間をかけられる訳で。

 

 

でも与えられた時間は

無限にある訳ではなくて。


f:id:anogra:20240331105659j:image

f:id:anogra:20240331105711j:image

 

待たされる側としては

「何時まで」「どこまで」が聞きたいし


f:id:anogra:20240331105800j:image

 

もう一歩、先に進みたい。


f:id:anogra:20240331105820j:image

 

しいなが大学を卒業するまでに

一人前の職人になる

 

そうしたら改めて

結婚を申し込む、と約束する。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【第二話 ギャル、揉まれる】

 

 

 

修は実家で祖父母とは暮らさず

一人暮らしをしていて


f:id:anogra:20240331133359j:image

 

しいなはよくやって来て

家事を手伝ってあげたり。


f:id:anogra:20240331133424j:image

 

しいなは職人の奥さんになる事に

不安を感じているけれど

 

銅や工場の匂いも苦手で。


f:id:anogra:20240331133439j:image

 

この2話では

しいなと修の日常の姿が描かれていて

 

 

修の普段の面白い行動や

 

 

表情にはあまり出さないけれど

しいなへの強い想いを感じるシーン

 

 

様々な姿を見る事ができます。

 

 

2話目のお話ではあるけれど

 

実は凄く重要な

そして大切な内容が詰まっている回。

 

 

登場人物にとっても

 

これからのお話に進む為に、前に

必要となるエピソード。

 

しいなが苦手意識を持っていた

修の祖母と距離を縮める回でもあり

 

 

同じく苦手だった銅の匂いを

好きになる回でもある。

 

 

ラストのしいなの表情が

滅茶苦茶幸せそうで良い。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【第三話 ギャルと熱】

 

 

3話では修の祖父が本格的に

物語に絡んできます。

 

 

修と同じく...いや

 

修が祖父に似たのか

 

 

口数が少ないから

怖いと感じてしまう。

 

 

何を考えているのか

わからない内は怖いものだから。

 

 

 

でも一歩、勇気を振り絞って

踏み込んでみたら

 

 

見えるものが増えたり

変わったりする。

 

 

言葉を交わさないと

解らないものがあるから

 

 

相手が何を考えているなんて

話さなければ判り様がない。

 

しいなと修、そして祖父母との間に

必要なのは...多分そういうもの。

 

 

 

 

2話に続いてこの3話も

重要な内容が含まれてますね。

 

 

「犬町しいなという人物が

 この作品でどういった存在か」

 

 

ただのギャルではなくて...

 

この作品において

しいなの存在って結構重要だなと

 

読みながら思ったり。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【第四話 ギャルと先輩】

 

 

新キャラ登場。

 

 

久しぶりに再会した

しいなの先輩の咲。

 

 

彼女もまた

燕三条の職人の1人。

 

銅器ではなく

銅器を作るのに必要な職人の道具

「金槌」を作っているらしい。

 

修の使う金槌も

彼女の作ったもの。

 

 

大人の女性になった咲に

 

修の作品についても

理解の深い彼女に

 

モヤモヤしてしまうしいな。

 

 

この4話だけでなく

作品全体通して言えることだけど

 

 

銅器について、作る為の道具について

その道具を作る職人たちについて

 

銅器の知識のない人が読んでも

解りやすく、また退屈しない描き方

読むのが全然苦痛ではないのが良い。

 

 

製品ではなく

その為の道具を作る職人にも

 

 

やりがいとか楽しみがあるのだと

感じる内容でした。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【第五話 ギャルと来客】

 

 

 

お客さんが銅器を買いにやってきた。

 

 

本来お客さんがやって来た時の対応は

修の祖母である雪さんが担当するけれど

 

この日は打ち合わせの為に東京へ行っており

残ったのは口数が少ない修&総一郎さん。

 

 

この人は修のお父さんを

よく知る人物みたい?

 

 

 

口数が少なく

話すのが苦手な2人に任せるのは不安...

 

 

仕方なく、しいなが対応する事に。

 

 

 

 

 

また別のお客さんがやって来て...

 

 

先程売れた銅器は...

 

 

なんと...15万円。

 

 

後から来たお客さんみたく

この価格に「高すぎる」「たかがやかん」

...等と思ってしまうのは

 

まぁ、普通の反応ではないかな。

 

 

手が込んでいるのは理解できるが

安く買える手段があるのだから...

 

そちらと比較してしまうのは

おかしな事ではない。

 

 

 

総一郎さんブチギレ寸前で

口を開いたのが...しいな。

 

 

しいなのコミュ力

 

 

銅器について、

まだまだ知らない事が多いけれど

 

 

いずれ修と結婚して

銅器職人の奥さんになるなら

 

色々と知識を

身につけないといけないけれど...

 

 

それとはまた別に

しいなの持つコミュニケーション能力は

必要だなぁ...

 

特に半数以上がコミュニケーション苦手の

この工場には...w

 

 

鎚起銅器は

たった一枚の銅板から

 

設計図無しで作品を作り上げる

技術も時間も必要な作業。

 

 

付けられた価格が

手間に等しいだけの価値があるか...

 

買う側や作る側が

余計に値を上げているかもしれないけど

 

 

どんな人がどんな想いで

どの様に作り上げたのか

 

そういった事を伝えて、知ってもらえたら

 

「高い」が「高い...けど」に

変わるかもしれない。

 

 

出来うる事をし尽くして

伝えられる事を伝えきって

 

それでも「高い」と言われるかも

しれないけれど...

 

出来る事は全てやっていくのが

大切な事だと思う。

 

 

伝えないと伝わらないし

知らないままだとわからない。

 

 

番頭の雪さんの代わりとして

初めてのお客さんの対応。

 

問題点というか、直すべき部分は

まだあるけれど...

 

 

やっぱり、繰り返しになるけど

しいなの様な存在は必要だと思う。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【第六話 ギャルとエスコート】

 

 

またある日

 

 

修は本当にそうなりそう。

 

 

しいなから「デートに行きたい」

とこんな顔で言われたら

 

しいな大好き修は

答えずにはいられない。

 

 

 

急にこんなお願いをしたのには

理由があって...

 

 

いつもしいなが

あちこち連れまわしているのに

 

この先、結婚して...家族になって

関係が変わった後

 

修が旦那さんとして

引っ張っていってくれるのか...

不安になったから。

 

 

修の考えで、修の方法で

自分をエスコートしてほしい

 

...というのがしいなからのお願い。

 

 

新潟県の実在の店舗や風景が

色々と登場する本作。

 

 

「こんな所が、モノがあるんだ」と

色々と知る事ができます。

 

 

修が連れてきたのは、とある商店街。

 

 

事前に修が下調べをして

カフェ等様々な場所を案内。

 

途中、連れてきたのが

陶器を販売しているとあるお店。

 

 

 

修がそのお店に連れて来たのは...

 

 

これから先、家族になるのなら様々な事を

2人で話し合って決めていく事になる

 

これを、今日この買い物を

その最初したい...から、との事。

 

 

「貴方の言いたい事より自分を大事にして」

「自分に優しくしてほしい」

...ではなくて

 

「言いたい事はきちんと伝えて」

「貴方と対等で、公平でありたい」

...と言えるしいなが偉いな、と。

 

 

カップル」になるんじゃなくて

「家族」になる訳だからね...

 

互いに納得して

こういった考えが出来るかは大事。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

【第七話 ギャルと古びた銅器】

 

 

修がいつもと様子が違う事に

気が付いたしいな。

 

 

しいなが聞きたいのは

「問題ない」ではなくて

「困っている」だから。

 

 

悩みがあるなら話してほしいし

一緒に考えていきたい。

 

約束したからね。

 

 

 

修の悩みの原因は...

 

 

修の父親が若い頃に作った銅器

それの修理依頼について。

 

 

1から作るより

時に難しくなるものだと思う。

 

人の手によるものだから

その人の癖や性格が表れるだろうし。

 

 

修の両親は4年前に交通事故で

亡くなったらしい。

 

 

考える事が多いんだと思う。

 

一枚の銅板から

何を想って、どういった姿を想像して

その形を作ったのか。

 

 

しいなに対しても

両親の事は全く話さないみたいで。

 

修の祖父、父親、そして修と

3代皆無口でコミュニケーション苦手と...

 

 

 

 

 

修は工場にも行かず

完全サボりモード。

 

 

これまでに

しいなが修の後ろ姿を見て

「冷たい背中」って表していて

 

どういう事なんだろうと

思っていたけれど...

 

 

...昔の姿と重なるという事か。

 

 

 

 

 

 

解らない事も多いけれど

 

ずっと修の事を見てきたしいなには

判る事があるんだろうなぁ。

 

 

 

 

こういう時に

修が何を求めているのか...とか

 

 

無口な修にだって

言いたい事・考えている事があるとか

 

 

 

平気そうな顔をしている修だって

泣くときもある、とか。

 

 

家族を失う悲しみは経験がないと

理解するのは無理だよなぁ...

 

 

...いや

 

 

その人の苦しみや考えは

その人にしか解らないものなんだろう

 

 

 

 

同じ立場になって

理解することなんてできない

 

 

 

 

...からと、そこで終わりにせず

 

 

その気持ちを理解したい、知りたい

一緒にわかちあいたいって

 

しいなは修にそう思う様になった。

 

 

 

 

その瞬間が、修がしいなにとって

「大切な人」になった瞬間。

 

 

そうやって歩み寄って

一緒に進もうとしてくれるしいなの存在は

 

修にとっても「大切な存在」

なんじゃないかなと思う。

 

 

 

~~~~~~~~~~~~~~*

 

 

 

【心に触れられる唯一のもの】

 

 

正反対な2人の物語。

 

しいなと修、2人は互いの事を

想い合っているけれど

 

互いの事を全て理解している訳でもなく

互いの全てを受け入れている訳でもない。

 

まだまだ不安定で不完全な2人。

 

 

少しずつ互いを知って、理解して

仲間や家族になっていく。

 

 

銅器の話や豆知識、

鎚起銅器職人・番頭としての

成長物語...だけでなく

 

夫婦...家族としての

2人の成長の物語もこの作品の注目ポイント

 

...いや、むしろ

それこそが一番のメインとも言えるかと。

 

 

 

 

そしてしいなの存在が

修に、富川家の工場に、銅器の世界に

 

どれ程の影響と

どの様な変化をもたらすのか

大きな注目ポイントだなと思った。

 

 

まだまだ不完全で未熟な部分もあるけど

時に凄い言動をとったりと

 

時に誰もできない事をしでかすする

良い意味で予測不能な「The・主人公」

らしさがある。

 

 

 

 

可愛いのはその通り

 

そして見た目はギャルでも

根っこは優しい所も魅力的

 

だけどそれ以外の部分にこそ

注目して読んでいきたい。

 

 

 

 

 

Next... >>

f:id:anogra:20240331110842j:image