【うらら迷路帖 最終巻感想】
↓過去の見どころ紹介記事↓
紺達4人は
臣の夢探りの占いを使って千矢の夢に入り
目を覚まさない千矢を助けに向かう………
という所で前巻終了。
そこで目にしたのは謎の化け物達。
昔、同じ様に
知ってはいけないことを知ろうとした
一人のうららの話を始める化け物達。
それは真面目で一生懸命な人なら
誰しもそう思ってしまうモノ………
「もっと知りたい、見てみたい」
それでも禁忌は禁忌に代わりはなく………
神様はそれを見逃してはくれない様子。
神様にかけられた呪い。
日に日に黒い痣が体を蝕んでいき………。
たった一度、それも純粋な好奇心。
それで視てしまっても呪われるのは
何だか厳しいな…と思ってしまう。
見逃してはくれないものだろうか?
ここで納得。
何故誰も真っ黒の書類を見て
「全く興味も違和感も抱かないのか」…。
存在そのものを消し、
「初めからいなかった」
ということにされていたから。
だからどうやったって気がつくことはない。
「思い出すものがない」訳だから。
皆も話を聞くうちに
あれこれ気になり知ろうとしてしまう。
ちょっと視ただけでも
神様は見逃してはくれない。
………ケチ。
急いで夢から脱出するも………
禁忌を犯した彼女達「4人」の体には
あの黒い痣ができてしまう。
神様の力によるものは
どうやって消したら良いのか………
結構絶望的な状況なのでは?
多少の痣は隠せても
恐怖の感情は隠せない。
千矢にそれはお見通し。
必死に安心させようとする姿は良いけれど
どうしようもない状態なのが辛い………。
匂いで感情まで解るって
以前椿先生と話していた匂い占いも
検討しても良いのでは?
占いで視ていない千矢だけには
呪いはかかっていない様。
突然いなくなり
最初に視たのは自分なのに
皆はそんな自分を心配して
探しにきてくれただけなのに
これでは千矢が一人逃げた様に
見えてしまう………。
呪いについて、今まで通りになるなら
千矢だけが生き残ってしまう。
痣に苦しみ、
もうすぐ存在ごと消されてしまう皆。
生き残るけれど
罪悪感を抱え、一人生き残る千矢………。
皆が皆、辛い状態。
そんな千矢を励まそうと
最初に動いたのはノノ。
流石委員長に選ばれるだけのことはある。
誰かが躓いたら
他の皆で手を貸して、助け合う………
今まで千矢達はそうやって
困難を乗り越えてきた。
なら今回だって助け合って
この絶望的状況を乗り越えよう。
神様が相手だってそれは変わらない。
そうできる友がいるって
素晴らしいことだと思う。
ノノの姉、ニナ先生
紺の母、時江先生。
悩む千矢達を心配してやって来る。
こんな危険なことに母を巻き込みたくない…
そう思う紺。
しかし娘が苦しんでいるのに
危険だからと関わらず、
一人生き残ろうなんて思わない
………紺を産んだ時から
母親として覚悟は決まっている。
誰にも気づかれず、いなかったことにされ
誰にも気づかれず、死ぬことも許されず
現世を彷徨い続ける………
神様も酷いことを考える。
思い………出した………!!
単なる記憶喪失ではなく
神様の力が加わっているのに
思い出すことができるなんて………。
余程大切な存在だったのだろうか?
時江先生の友人であり
千矢の母親である、矢見。
二人はこの迷路帖で出会い
千矢を育ててくれたセツを入れて
親しい友達の関係となった。
しかし昔の時江先生は紺にそっくり。
やっぱり親子なんだなぁ………。
矢見の性格は
千矢とは全く異なるけれど…。
千矢のあの眼は
母親譲りの能力なのかな?
互いに競い合っていく中で
一番占になろうと約束。
しかしある日を境に
矢見と出会うことはなく………。
そして遂に父親の存在も明らかに。
私が母親と予想していた存在が
まさかの父親だった。
先生達に手がかりについて
調べてもらっている間に
来たるべき時に備えて
占力を回復中の千矢達。
決戦間近でも
読者にサービス回を用意してくれる………
やはりはりかも先生こそ
神様に相応しい。
ありがとうございますありがとうございます
ここ最高。
すっかり群れることに抵抗が無くなった
デレ臣が可愛すぎる。
以前は4人でこうして水浴びをしたけれど、
今度は、これからは5人で………
突然死ぬことになって
存在を忘れられてしまうって
どうしようもなく怖いと思う。
再び皆の気持ちは暗くなってしまうけれど…
小梅は
諦めず、また前を向いて歩き出した
千矢の姿を見て、思い出す。
「まだやり残したことが沢山ある
………皆だってそうでしょう?」
「私達のこれからは私達のものだ」
「神様にだってくれてやるものか」
占力は回復した。
皆の眼にもう迷いは無い。
先生達先輩うららが占力を使い切ってまで
手がかりを突き止めてくれた。
………後は神様に会いに行くだけ。
師匠や先輩に
「これから」を託される展開って
個人的に物凄く好き。
まーた弟子に求婚してるw
ノノ本人も了承済みだし、
いつかそうなるのだろうか?
そして紺と時江先生の親子も。
時江先生は
友達である矢見を救えなかった。
けれど今度は………
紺にはそうなってほしくない。
師から弟子へ
親から娘へ
いや本当
こういう展開って好き。
5人で先へ進む。
それぞれがそれぞれの力
それぞれに新たに編み出した力を使い
神のいる
矢見のいる場所へ。
小梅は占いのバリエーションが豊富なのが
何よりの魅力だなぁ。
この大事な場面はやっぱり
マリの力を借りるのが一番。
マリに再び会いたい
マリに認めてもらえる様になる
小梅に限らず
皆そういった目標や夢のお陰で
こんなにも急成長しているのか。
千矢も眼を使って道を探る。
今度はしっかり使いこなしている。
皆苦しみながらも
必死に道を探ってくれた。
これ以上無理はさせられない。
ここからは千矢が頑張る番。
ここの紺ヒロイン。
千矢とくろうで先へ進む。
普段会話しない
或いは長いこと会っていない親子の反応w
千矢の両親の過去。
父・九朗も生まれながらにして
全てを見通す赤い眼を持っていたのか。
そんな九朗は村で気持ち悪がられ
商人として各地を訪ねる中で迷路帖へ。
そこで矢見に出会う。
互いに赤い眼を持ち、
感情も、考えも未来も
何も見通せない初めての相手。
だからこそ惹かれ合う。
ハッキリ言って大体の場合
本人にとって名誉なんて価値はないと思う。
周りが本人をその気にさせて利用しようと
用意しただけだと。
矢見も捨て子の上、
赤い眼を持って全てを見通す力のせいで
居場所がなく、
迷路帖にやって来たのか。
その力が神様の眼に止まり
一番占に、神様の女になれと言われる。
一番占の不在が僅かでも生まれれば
この迷路帖にとって非常に不味い。
占力の供給は勿論
「一番占がいる」ということが何より大切。
しかし一番占なんて
そうそう生まれない。
自分が諦めてこの運命を受け入れないと
今まで頑張ってきたうらら達は無くなる。
友達の夢の為、
一人犠牲になることを選ぶ。
矢見の覚悟は決まっていた………けれど
後の夫となる九朗と出会い………
その気持ちは揺らぐ。
神様の女でありながら
九朗との子供を身籠もる。
街を、神様を裏切る
絶対許されない行為。
切ないなぁ…。
遂に千矢は
捕らわれていた母の元へ。
誰か一人が犠牲になる
今の在り方を終わらせたい。
しかし誰かが犠牲にならないと
占力は尽き、迷路帖はじきに滅ぶ。
どうしたら良いのか?
出た。
「皆を解放する代わりにお前が犠牲になれ」
でもこれにただ応じたら
また同じことが繰り返されるよね………。
矢見も千矢も皆のために
一番占になることを選んだ。
けれど気持ちは全然違う。
望みも納得もせず、自己犠牲に酔い
運命を受け入れただけの矢見。
自ら選び、納得した上で
その道を望んで進んだ千矢。
ここの言葉が刺さった。
「未来なんてひとつじゃない」
「どの道を選んでも後悔はする」
「それでも自分を信じて
自分の道は自分で決めて」
「もし間違ってもその選択は
次の道を決めるモノになる」
そうなんだよね。
どれか1つが正解じゃなくて
幾つも、幾らでも正解はある。
どれかが間違いなのではなくて
向かう先で得た経験………
必ず待ち受ける成功も失敗も含め、
それを活かして次の道に向かえないのが
間違いなのかと思う。
それらを活かして進み続けられるのが正解。
それが出来るのって
自らその道を選べる人なんだよね。
神様を納得させ
呪いを解いてもらうことに成功。
しかし………
神様これは酷い。
契約が成立した後に
重要な内容を明かすとか………。
千矢の両親はもう手遅れ。
何とか助かる方法は無いのか………?
やっと会えたのに
またお別れなんて。゜(゜´Д`゜)゜。
しかも今度は一生の別れ。
ここで両親に約束。
「未来はどうなるか解らないけど
自分で道を選び、進んで
素敵な未来を掴んでみせる」
まだ全てが解決した訳ではない。
それぞれがどんな道を選び
どんな成長を遂げて
どの様な形で
この問題に向き合っていくのか
是非彼女達の姿を
自身の目で確かめてみてほしい。
素敵な物語を、素晴らしい時間を
ありがとうございます。
この物語のラストを見届けられたことは
自分にとって忘れられない思い出です。
はりかも先生、お疲れ様でした。